終焉の栞 スズム,さいね,こみね
2013年16冊目
- 作者: スズム,さいね,こみね
- 出版社/メーカー: メディアファクトリー
- 発売日: 2013/02/25
- メディア: Kindle版
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一つの事件にたいして、複数の視点から描くという手法はよくある。 この作品もこっくりさんからはじまる、カルト事件のようなものを複数視点から描かれている。 ネットで書かれて、話題になった作品らしいけど、文章はしっかり書かれているしそこそこ楽しめはした。
しかし、この話完結していない。 あとがきでも完結していないと書いてあるし、それよりなによりあとがきがもう嫌悪感をもよおすレベル。完結していない、投げっぱなしというのはやっぱり嫌われるし、中二病を悪い方向にこじらせた感じがどうも肌にあわなかった。
人生 川岸殴魚
2013年15冊目
- 作者: 川岸殴魚,ななせめるち
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2012/01/18
- メディア: 文庫
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ちょっともう、こういう感じのラノベは辛くなってきた……
南極点のピアピア動画 野尻抱介
2013年14冊目
- 作者: 野尻抱介
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2013/01/25
- メディア: Kindle版
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第一回のニコニコ学会は仕事の関係で、幸運にも会場で見ることができた。おもにユーザーインタフェイスに関する研究者たちの研究100連発は本当に面白かったし、野生の研究者達の発表も素晴らしかった。
そのセッションの中で、野尻さんがこの南極点のピアピア動画について語るセッションがあった。僕がこの本を知ったのがこのときだった。このときは「へー、面白いテーマの本だなぁ」程度にしかおもってなく、そのまま本を読むこともなかった。
今回、kindle版がでているのを見つけて読んでみたら、なるほど、ニコニコ学会がこの本を超リスペクトしていることがわかった。
ピアピア動画(ニコニコ動画のことだ)の『技術部』といわれる人達が、自分たちの技術力の無駄遣いを駆使して、宇宙に行き、軌道エレベーターを作り、鯨と会話し、宇宙人と邂逅する。そんな物語。
ニコニコ動画で、技術力の無駄遣いな動画は面白い。じゃぁ、その技術力の無駄遣いの行き着く先はどこだ ? ということに一つの解を与えているんじゃないだろうか。
夢があり、読みやすく、すごく面白い一冊だった。
2013年2月に読んだ本まとめ
2013年2月の読書メーター
読んだ本の数:14冊
読んだページ数:2851ページ
ナイス数:4ナイス
とある飛空士への誓約 2 (ガガガ文庫)の感想
うぉぉぉ! まじかよ! それは予想してなかったよ! 続きがきになる!!
読了日:2月28日 著者:犬村 小六
帝国ホテル 厨房物語 私の履歴書 (日経ビジネス人文庫)の感想
旨そうな本はたいてい面白い。加えて本書は、どうやって教育されてきたか、どうやって後進を育てたかなどの話も書いてありなんとなくためになる部分もあった。しかし、著者の明るい性格や真面目さ、夢など、なんだかこう、人間性があふれでてる本だった。良書。おもしろかった
読了日:2月22日 著者:村上 信夫
採用基準の感想
示唆に富んだリーダー論の本だった。「会議で発言しない人は給料泥棒」という部分がえらい印象に残った。ちゃんとバリューを出せるようになろう。
読了日:2月19日 著者:伊賀 泰代
SCRUM BOOT CAMP THE BOOKの感想
超良書。ブログに感想文かいた http://que.hateblo.jp/entry/2013/02/16/162849
読了日:2月16日 著者:スクラム道(@nawoto @ryuzee @miholovesq )
IPPO 1 (ヤングジャンプコミックス)の感想
妻が買ってきた本。オーダーメイドの靴職人のはなし。すっげー面白かった。これはおすすめ
読了日:2月11日 著者:えすとえむ
風の谷のナウシカ 7
読了日:2月11日 著者:宮崎 駿
風の谷のナウシカ 6 (アニメージュコミックスワイド判)
読了日:2月11日 著者:宮崎 駿
風の谷のナウシカ 5 (アニメージュコミックスワイド判)
読了日:2月10日 著者:宮崎 駿
風の谷のナウシカ 4 (アニメージュコミックスワイド判)
読了日:2月10日 著者:宮崎 駿
風の谷のナウシカ 3 (アニメージュコミックスワイド判)
読了日:2月10日 著者:宮崎 駿
風の谷のナウシカ 2 (アニメージュコミックスワイド判)
読了日:2月10日 著者:宮崎 駿
風の谷のナウシカ 1 (アニメージュコミックスワイド判)
読了日:2月10日 著者:宮崎 駿
漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たちの感想
いかに新しいハードとユーザー体験を作り、戦ってきたか。いかにして栄華を極め、いかにして凋落したか。そして、これからはどうなる??という内容。読み物としてすごく面白かった。
読了日:2月9日 著者:西田 宗千佳
植物図鑑 (幻冬舎文庫)
読了日:2月5日 著者:有川 浩
読書メーター
念願のナウシカを読むことができた!
とある飛空士への誓約 2 犬村小六
2013年13冊目
- 作者: 犬村小六
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/02/19
- メディア: 文庫
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大好きなシリーズ。まぁ、浮き沈みがある印象があるのだけれども、この「誓約」シリーズは超面白いかもしれん!
いろいろな思惑や謎を残しつつ進んでいく、青春群像劇。この巻の最後はもう「はっ? まじで!? なんで?? この先どうなってくの!?」 というもう、読者を引きつけてやまない終わり方をしていて、もう先が気になって仕方ないですはい。
帝国ホテル厨房物語 村上信夫
2013年12冊目
- 作者: 村上信夫
- 出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社
- 発売日: 2012/10/13
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帝国ホテルの総料理長を長くつとめ、その傍ら「今日の料理」で一般向けにアレンジしたフランス料理を熱心に教えた村上信夫さんの自伝本。
日本経済新聞のコラム「私の履歴書」に掲載されたものに大幅に加筆修正されたものだ。
何かを成した人の話はとにかく面白い。特に、村上さんは戦前、戦後を生き抜き、ドラマに満ち満ちた波瀾万丈の人生をおくられてきた方だ。一つのドラマとしてすごく面白い読み物だ。
また、会社組織に生きる人(帝国ホテルの人だからね)として、いかにして成長していったか、チャンスを掴んだか、後進を育てていったかといった部分が印象的で、自分も頑張ろう……と勇気づけられた。
採用基準 伊賀恭代
2013年11冊目
- 作者: 伊賀泰代
- 出版社/メーカー: ダイヤモンド社
- 発売日: 2013/01/28
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タイトルこそ採用基準だけれども、これはリーダー論の本。
マッキンゼーで長年にわたり、採用担当マネージャーをやっていた著者(おちゃらけ社会派として有名なちきりんさんとの噂あり)の、日本という国への危機感への叫びとも取れるような内容だった。
日本には圧倒的にリーダーシップをとれる人がいない! という内容。
スクラムにおける自己組織化
この本を読みながら感じたのは、スクラムでいうところの 自己組織化 とはリーダシップを求めることだったのかーと思った。
アジャイルなソフトウェア開発手法であるスクラムでは、開発チームには自己組織化を求める。能動的に動けるチームこそが生産性の高いチームであるということなのだが。
スクラムにはスクラムマスターというスクラムを推進するための役割がある。スクラムチームのリーダーと思われがちなのだけれども……そうか、この考えが間違いだったのだ。
リーダーというのは、状況を取りまとめて決定を行い、いろいろな人に指示をだす。リーダーとその部下というような構造が思い浮かぶけれども、マッキンゼーではそうではない。全員がリーダーで、全員が能動的に動き、全員が状況を分析し、全員が自分の責任の元に動ける。階層構造の組織図的な関係ではなく、自分を中心としたスター型の人間関係。つまり全員がリーダーであるのだ。
ああ、これが自己組織化なんだ。
自己組織化されたチームはスクラムマスターが不要になるといわれるのだけれども、確かにこのようにチーム全員がリーダーシップを発揮し、能動的に動けるのであれば、なるほどスクラムマスターは不要となる。
リーダーシップとは何か
ではリーダーシップは何だろうか。
本書では一例として、マンションの組合の会合(?)的なシチュエーションを挙げていた。
会合でお菓子が出たが、最後まで余ってしまった。一人一つづつ配ったら人数より少ない。でも、余ってもおいて帰るわけにはいかない……というようなシチュエーションで「どなたかお子さんやお孫さんがいらっしゃる方、お菓子があまっていますのでどうぞお持ち帰りください」と自分から声をかける人。これはリーダーシップだ。
なぁんだ、そんな簡単な事か。と思うのだけれども、じゃぁ、そのシチュエーションで自分がそんな風に声をかけることができるかと言われるとそうではないなぁと思う。(まぁ、無関心ということもあるのだが)
日本では、このリーダーシップを育むということが全くない。
出る杭は打たれるし、言い出しっぺが損をする。妙な空気を読んで場を見出さないように心がける。時間のむだだとわかっている会議に出席し、文句の一つもいわずにノートパソコンに向かい内職をする。こういうのはリーダーシップが無い典型であると本書では断じている。
欧米では、就職や大学入学のときに、自分がいままでどのようにリーダーシップを発揮してきたのかを問われるそうだ。
採用基準
本書のタイトルである採用基準。これはマッキンゼーが求める人材の要件の話である。
- リーダーシップがある
- 地頭がよい
- 英語ができる
この3つが求められるのだけれども、日本では地頭のいい、優秀な人間は多くいるが、リーダーシップが取れる人間、英語ができる人間というのが圧倒的にいないというのだ。ここを出発点としてこの本ではリーダー論が語られていく。なのでタイトルは採用基準。
すごく考えさせられるし、自分にリーダーシップがあるかどうかということも考えさせられる内容だった。
また、スクラムチームを率いているので、チームの自己組織化を促す必要がある。それぞれがリーダーシップを発揮し生産性の高い集団になるためにはどうすればいいのか。これを僕は今後ずっと考えていかなくてはいけないなぁ、と感じた。
蛇足
本書ですごく印象に残ったのは「会議で発言しないのは給料泥棒とおんなじ」というくだりだった。会議に出席して、何も喋らないというのは、つまり、その会議の結論に何も関与していないのと同じことで、つまりいなくてもいいという事。バリュー(価値)を生み出せていないのだ。
マッキンゼーでは、コンサルタントが招かれて会議に出席し、会議が終わった後に「私はこの会議でバリューを生み出せたか」という事を確認することがあるらしい。価値を生み出さなくてはいけないという、強烈な意識の高さこそが、高い生産性につながるのかなぁと思った。
そういえば、昨日、今日と僕は一日中ミーティングに立っていたのだけれども、よくよく観察をしていると影響力の強い人、各部署のリーダーたちは、なるほど、いろいろなことをとにかく発言し気付きをもたらしてくれる。とあるスクラムチームのプランニングでは、メンバーにはおとなしい人が多いが、みんながよく発言し、一人ひとりが課題に対して挑戦していこうという意欲を感じた。
リーダーシップもそうなのだけれども、自分は常にバリューを生み出せているのかを意識して仕事に臨んでいかなくてはなぁということをよく感じた。
気づきの多いいい本だった。