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もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら 岩崎夏海

『マネジメント』は、一九○九年(今からちょうど百年前!)にオーストリアで生まれた二十世紀最高の知性の一人といわれるピーター・F・ドラッカーが、一九七三年、彼が六十三歳の時に著した「組織経営」についての本である。これによって、いわゆる「経営学」が始まったといわれ、それゆえ、彼は「経営学の父」とも呼ばれている。

(あとがきより引用)


その『マネジメント』を高校野球の女子マネージャーが読んで、しかも野球部で実践して、甲子園を目指すという内容の小説である。
これが強烈に面白い。
その突飛なアイディアがすでにめちゃくちゃ面白いのだが、それに加え、この小説には『ドラマ』があった。
これ、そのままNHKあたりがドラマ化しそうなほどよくできた内容。
うっかり、胸が熱くなりウルッときてしまったことを正直に告白しよう。


なんというか、目次だけでもちょっと笑えてしまう。

  • みなみは『マネジメント』と出会った
  • みなみは野球部のマネジメントに取り組んだ
  • みなみはマーケティングに取り組んだ
  • みなみは専門家の通訳になろうとした
  • みなみは人の強みを生かそうとした
  • みなみはイノベーションに取り組んだ
  • みなみは人事の問題に取り組んだ
  • みなみは真摯さとは何かを考えた

※ みなみ とはこの小説の主人公であり、野球部のマネジメント(笑)に取り組んだ人物


小説じたてではあるものの、この本は『マネジメント』という本の内容について、ものすごく噛み砕いて、具体的な例をだしながら丁寧に解説している良書である。
組織とはなにか、マネジメントとは何か。
そういう、普段なら語の感覚だけでスルーしてしまうような事柄についてよく考えさせられ、同時に、自分が同人ゲーム制作サークルを率いていた上で足りなかったものをまざまざと見せつけられた。


孫引きになるが、この言葉には心を撃たれた
『マネージャーの資質』という項目

人を管理する能力、議長役や面接の能力を学ぶことはできる。管理体制、昇進制度、報奨制度を通じて人材開発に有効な方策を講ずることもできる。だがそれだけでは十分ではない。根本的な資質が必要である。真摯さである。

マネジャーの仕事は、体系的な分析の対象となる。マネジャーにできなければならないことは、そのほとんどが教わらなくとも学ぶことができる。しかし、学ぶことのできない資質、後天的に獲得することのできない資質、始めから身につけていなければならない資質が、一つだけある。才能ではない。真摯さである。

真摯さ。
なるほど、真摯さだ。そうかぁ、そうだよなぁ。


組織の大小や特徴に関わらず、『組織運営』において共通して考えなくてはいけないことがわかりやすく書いてあった。

これを読んで、ドラッカーの『マネジメント』を読もう! という強い動機となった、最高の入門書かとおもう。