名称未定ドキュメント"Que"

ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

忙しくてコードを書くことを諦めていたVPoEがAIのお陰でコードを書くことをちょっと取り戻せた話

この記事はpyspa Advent Calendar 3日目の記事です。

adventar.org

世の中にあふれかえるAIコーディングすごいという話なので、世のためになるようなnewな話はなにもないですが、ビビッドな感動があったので記事に書こうと思います。

自分自身のバックグラウンドとしてウェブアプリのフルスタックエンジニアなのですが、前職で管理職になってから仕事でコードを書くことはほとんどなくなりました。2年前に書いた Theoria technologiesに入社しました! - 名称未定ドキュメント"Que"こちらの記事にもあるとおり、管理職になると評価や組織の仕組みづくり、予算策定などの仕事が主となりコードを書く時間が取れないし、自分がコードを書くとそこがボトルネックになってスケジュール遅延の原因などになるのであえてコードを書かないという選択をしていました。

とはいえ、時々ちょっとしたコードを書いたらそれはそれで面白くていいんだけれども、コードを書いていなかった間の技術のスタンダードの変遷のキャッチアップが十分にできずに「うっ……」となることもしばしばありました。dockerとかいまだに手に全然馴染んでないし、Reactなんかも転職したばかりのときに勉強しながら書いたときに考え方を身につけるのに苦労をしました。

現職でも、現在はVPoEとして主にカジュアル面談おじさんをしているわけですが。社員番号2番で入社し、2025年12月現在で全社員で60名、エンジニアだけで15名くらいの規模になりました。 当社は複数のプロダクトを同時多発的に開発してリリースする、いわゆるコンパウンド戦略を取っており、複数のサービスを展開しています。 少人数でいろいろ出しているので、AIによる開発のサポートは欠かせません。 社としては AI Native Companyを目指して! テオリアAIハッカソン開催レポート|テオリア・テクノロジーズ 公式noteにあるとおり AI Native Companyを目指しており、AI導入について積極的です。

エンジニア向けには、月額5万円までならコーポレートカードでAIサービスを利用できるようになっており(初めて使うものは法務の利用規約確認は必要ですが……)、すごいスピードで出てくる新しいAIをとにかく試すことができる環境となっています。

エンジニアはそれぞれ何かしらのプロダクトの開発プロジェクトに所属し、そのプロダクトの開発に専念しています。 一方でBizDevやR&DからVPoEである私に案件や作業の依頼や相談がやってくるものの、規模としては小さいが、プロジェクトに参加しているエンジニアに振るには大きく、業務委託にお願いするには小さすぎる……これどうすんべ?? みたいな細々とした案件が私の懐に溜まっていくという事態が発生していました。 自分でコードを書いてしまえば、0.5-1.0人月くらいの規模なんだけれども、その1人月分のコーディング作業時間を確保するのに2〜3ヶ月を要するのです。 困った。

今年、劇的に進歩した分野は間違いなくAIによるコーディングでしょう。会社のエンジニアリングチームがAIによってものすごい生産性を発揮するのを眺めては「ほぇ〜」となっています。 自分は技術の最先端の最先端を追いかけるという部分にあまり興味がなく、少し人口に膾炙してから使う派なので、本当に横から眺めているというような立ち位置でした。 なんとかというモデルがいい、なんとかというモデルが早い、みたいな話を聞いても「なるほどね。じゃぁ、決着がついたらまた教えて下さい」みたいなタイプ。 なので、AIコーディングについては割と "" してました。

が、上記のような振り場のない細かい案件を小脇にかかえてきたところで「あー、AIコーディングやってみるか」となってやってみたら世界が変わったのでした。

たまたまライセンスに余りがあったのでCursorを使いました。(こだわりがないので……)

作ったものとしては、問診票Webアプリ。

  • 問診の内容はExcelにかなり詳しく定義されている (50問くらい)
  • フロントエンドは Next.js。tailwindをつかってね。 (デザイン指定は無し)
  • バックエンドは TypeScript で hono。DBはSQLiteでよい
  • ユーザ画面と管理者向け画面がある
  • Vitestでテストも書いてね

やることは簡単だけど、やることがおおくてとにかくだるい。自分がしこしこつくったら1人月かなぁ……。みたいなやつ。

これをcursorのplanモードを使って実装したら、30分くらいでとりあえず動くものができ、UIの微調整やテストの追加、不要な変数やimportの削除、開発用の便利script作りなどもろもろ合わせて1日くらいで「まぁいいでしょう」レベルのものが完成した。

特に私が不得意なUI周り。プログレスバーとか実装するの死ぬほど不得意で面倒くさいのが、AIにお願いしたらシュッとやってくれるし。開発用のダミーデータ流し込むスクリプト作成とかだるくてだるくて仕方ないようなやつもシュッとやってくれるし。

仕事でつくったやつだから見せられないのが残念なのだけれども、まさかここまで簡単でサクッとできてしまうとは思っても見なかった。

1人月が1日で終わっちゃったよ。

そういうビビッドな感動と同時に、なんというかコーディングしている爽快感みたいなものは失われてしまったわね……という寂しさもある。

しかし、依頼者には喜ばれて、なんかこういう手触り感というか、小さいが目の前に価値を届けて届けた価値をダイレクトに感じるみたいなのを久しぶりに体感しました。

AIに0からコーディングさせるのは、初めてではあったけれども、うまくできたのはエンジニアとしての下地があったからだと思う。

  • 明確に要件を伝える。明確でなかった部分は対話の中で明確化していく。
  • 技術的な必要なものは最初からインプットできていた
  • 便利scriptやテストで必要なダミーデータなども最初から想定できていたので、最初から用意させることができた
  • 不要コードの削除なんかは勘所がわかっているのでスムーズに作業できた
  • AIにコードをぶっ壊されても冷静に対応 (あんまりぶっ壊されなかったけど)

AIコーディング素人ムーブをしてしまい「あっ、あっ」となったのは

  • ある程度できた時点でcommitしてpushをさせて、その流れで機能追加をした結果、勝手にcommitとpushをされてしまった。コンテキストを切らないといけなかった……。もしくは明確にcommitまではすんなって言わないといけなかった

くらいかな。

今回は、どちらかというと、小脇に抱えた案件をどうにかしないと……という後ろ向きな理由ではあったのだけれども、これだけ簡単にできてしまうのであればもっと本質的な業務改善や、本当に初期段階のプロトタイプ開発なんかに、いろいろと忙しいVPoEみたいな管理職であって気軽にトライできるようになってきたなぁという感想を得た。まだ、非エンジニアにAIでプロトタイプまで作らせるというのは、できるんだろうけどリープがあるように思える。しかし、現場バリバリのエンジニアをセミリタイアしている僕みたいな人にとっては現状のAIコーディングはまさに福音で、大きな可能性を感じました。

でも、やっぱり、あの、どうしてもうまく行かなくて禿げ上がるほど悩んだコードがうまく動いたときの達成感や爽快感みたいなのはなくなってしまったのは良いことなのか悪いことなのかはわからないが、少し寂しい気持ちはある……。