- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 光文社
- 発売日: 2008/08/21
- メディア: 単行本
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森見登美彦氏初のエッセー集である。
エッセー? と『?』を付けたくなるへんてこな話であった。
普段から登美彦氏のブログ、この門をくぐる者は一切の高望みを捨てよを読んでいるけれども、このブログと同じような語り口で語られる、登美彦氏の竹林への愛の物語であった。
雑誌の連載を書くために何を思ったか、竹林整備を思いついた登美彦氏。
『多角経営の時代だ!』といい、MBC(モリミ・バンブー・カンパニー)の設立・大成功を夢想する
諸君。
どうやら未来は薔薇色らしいぞ!
しかし、多忙を極める本人はあまり竹林には赴けず……
最終的にはMBCの未来を妄想し、タケノコを掘って喰らう。
というストーリーだ。
なんというばかばかしさ! そして、本の所々に散逸するネガティブさ!
大好きだ!
登美彦氏の言葉遣いが好きだ。今回も沢山の名言が生まれた。
特に印象に残っているのは
美女に会ったら伝えてくれ。
俺は嫁を大事にする男だと。
登美彦氏の友人の明石氏が繰り返す言葉だ。俺も嫁を大事にする男だ! 長門は俺の嫁!
そう言えば、以前この明石氏が司法試験に合格したというエントリーがあった
http://d.hatena.ne.jp/Tomio/20070913
これを読んだときに思わず『かっこいい……』とおもった。
何がかというと太陽の塔の出版を受けての明石氏と登美彦氏のやり取りだ。
登美彦氏は彼に電話をかけた。
「恥ずかしい過去が公表されてしまうが、いいか?」
明石氏は答えた。
「かまわん。俺は恥ずべきことは何もやっていない」
友情とはかくあるべき。