- 作者: 水市恵,茶山隆介
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2010/03/18
- メディア: 文庫
- 購入: 3人 クリック: 29回
- この商品を含むブログ (18件) を見る
あー。映画を見る前に読むべきだったなぁ。
ほぼ原作と同じ内容で、最後の第5話が小説オリジナル作品。
小説 => アニメ という流れとちがって、アニメ => 小説 の場合って難しいんだなと思った。
自分の知る限り、原作付きのアニメって、多かれ少なかれ、アニメ化される時に原作からいくつか要素が削られている。
でも、削られた部分を補う、アニメならではのディテールがそこには存在して、作品に深みが生まれる。
この作品はアニメという圧倒的に情報量の多い作品を原作として、そのノベルが作られている。
この場合、アニメを超えるためにはどうすればいいのか?
アニメで語られなかった部分を丁寧に解説するか? いや、そこは筆者の独自の見解のようなものを語ってもらった方が面白いかもしれない。
そうしないと、どうしても 原作⊇ノベル という包含関係を抜け出せない気がする。
で、この作品、最初の4話は正直不満。
アニメを小説に落としただけ、という印象。
しかし、5話の落とし方は素晴らしかった。
表紙をめくった最初にある絵。きちんとココに物語が収斂さくれていく。
正直、原作を見た人にとっては最初の4話は退屈で仕方ないので、せっかくこういう短編がいくつか集まっているような構成になっているのだから、オリジナルのエピソードでまとめあげて欲しかった。
……というのは、映画を先にみた人の感想で、映画をまだ見ていない人が読むにはこの構成でベストなんだと思う。
対象読者をどっちに置いているかで全然かわってくるなぁ。
ノベライズってのは、難しいのだなぁ……と思った。