- 作者: 東野圭吾
- 出版社/メーカー: 角川グループパブリッシング
- 発売日: 2008/05/24
- メディア: 文庫
- 購入: 13人 クリック: 101回
- この商品を含むブログ (276件) を見る
実は、初東野。
いや、人気大衆小説作家はやっぱりすげーや。
映画化という話なので、ちょっと読んでみたのだけど、これはスゴイ。
やるせない。
登場人物にいちいち感情移入していたらとても読んでられない。
それぞれの言い分はわかるし、どの道が最善かもわからない。
えぐるようなストーリー
ある、女子高生が、未成年の少年たちにレイプされ、殺されてしまう。
残されたのは女子高生の父親一人。
ひょんなことから、父親は殺害した少年の一人の部屋のありかを知り、忍び込む。
すると、そこには愛娘をレイプしている現場を捉えたビデオと、その死ぬ瞬間を収めたビデオだった。
そこに、犯人の少年が帰ってきて、衝動的に父親は少年を殺す。
レイプ犯はもう一人いて、父親はもう一人の少年に復讐するためにさまよいはじめる。
といった、ストーリー。
出てくるアクターは非常におおい。
父親、犯人を追う刑事、犯人、共犯者、犯人の親、別のレイプ被害者の親、同情する人々、マスコミ etc, etc
それぞれにそれぞれの立場があり、それぞれの考え方がある。
感情論でも、論理的な観点でも、どちらでも処理ができない気持ちに全体的に漂っている。
ラストもやるせない。
とにかく延々と心揺さぶられる、作品でした。