- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 祥伝社
- 発売日: 2009/10/15
- メディア: 文庫
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森見登美彦大好きの僕が、彼の作品で他人に薦めるとすれば、1.夜は短し歩けよ乙女*1、2.新釈走れメロス他四編、3.恋文の技術*2なのですよ。
そんな、大のお気に入りの走れメロスが文庫になったので買わないすべはない!
この話は五編の短編からなっている。
それぞれ、過去の日本の名作文学のパロディーとなっているのだ。
「山月記」「藪の中」「走れメロス」「桜の森の満開の下」「百物語」
それぞれ、元の話を下敷きにし、森見らしい、青春をこじらせた腐れ大学生の物語が繰り広げられる。
山月記は、小説を書くことを人生とする腐れ大学生が、いつの間にかに天狗になってしまう。
藪の中は、映画サークルが作った一本の映画をさまざまな登場人物の視点から語る。
走れメロスは、友を裏切り(!)逃げ延びるためだけに走りまわる。
桜の森の満開の下は、一人の小説家の栄光とむなしさを描く。
百物語は、そのなんともいえぬ不思議な体験を。
一つ一つ、とても味があり、青春をこじらせた人たちの生き様が素晴らしく生き生きと描かれている。
「中二病」って言葉があるけど、自分はこっちじゃなくて、どちらかというと「青春をこじらせた人々」の方に分類されると思うし、分類されたいし、こういうお話を描いてみたい。
大学/大学院での生活はそれくらい、僕の中に大きな、大きすぎる影響を与えているのだ。
いまだに大学にはちょこちょこ顔出すしね^^;
以前読んだときと、また印象が違ったのは、僕が成長したからなのだろうけれども、
やっぱり一番すきなのは「走れメロス」だった。
主人公「芽野史郎」は久しぶりに大学に行くと、学園祭の真っ只中だった。
彼の所属する「詭弁論部」の部室に行くと、なんと那智暴虐の「図書館警察長官」の手によって「生湯葉研究会」の部室にされてしまうという。
いかった芽野は、図書館警察長官に文句を言いに行く。
そこで、彼はオーケストラ部の奏でる「美しく青きドナウ」に載せて桃色ブリーフ一枚で踊れば部室を返してやろう、といわれる。
しかし芽野は、姉の結婚式があるからその後にさせてくれ。俺は必ず戻ってくるから、親友の芹名を置いていくという。
もしも芽野が戻らなかったら、芹名が桃色ブリーフで踊らされるのだ。
そして、芽野は、芹名を置いて、 逃 走 す る
おいていかれた芹名の名台詞がこれだ
俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ
約束を守らないことを確信できるほどの熱い友情!
続きは本で!!