2013年9冊目
漂流するソニーのDNA プレイステーションで世界と戦った男たち
- 作者: 西田宗千佳
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/12/03
- メディア: Kindle版
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Kindle版購入。 PlayStationの誕生の話から、2012年平井さんがSONY社長になったあたりまでをPlayStationを軸として語られていく物語。
PlayStation開発秘話とかはあちらこちらで読んだりしているけれども、そういえば就職活動中にSCEの会社説明会にいったら開発秘話がかかれた文庫本をもらったわーということを思い出した。まぁ、あれに書かれていたことが1/3(主に技術方面からのチャレンジの話)、それ以外の話、例えば他社との協業、そのときのSONYを取り巻く環境や、人間関係に関してなどなどまでが広く、好意的に書かれた一冊だった。
さよなら!僕らのソニー (文春新書)は、筆者がSONY好きをこじらせて、今のSONYをヒステリックに批判しつつもなるほどそうだよねーと思わせる本だったけれども、こちらは、PlayStationの栄枯盛衰を語り、んでこれからどうなるの? という投げっぱなしで終わるという内容。
PlayStation, PlayStation2, PlayStation3の開発というこの勢いのある部分は本当に面白かった。まだみに未来を見据えて、とにかく頑張る技術者たちの姿はすごく勇気づけられるものがある。しかし、時代の流れや他社との競争、戦略ミスへの言い訳じみた部分など、ああ、なんだかそういう部分の妥協の積み重ねが今の苦境につながっているのか……とおもってしまったりもする。
SONYグループに漂う、なんとも言えない閉塞感を打破すべく喝を入れる一冊! ……というよりかは「昔はよかった……」みたいな感じの一冊に感じられてしまうのが大変残念だ。