- 作者: NHKスペシャル取材班
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2009/08/28
- メディア: 文庫
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ああ、そういや、このNHKスペシャルみたわ。見た見た。
検索の世界を支配するグーグル。
その全貌に迫る。
同タイトルで放送されたNHKスペシャルを書籍化したものがこれだ。
グーグルについてはもはや語らなくていいだろう。
グーグル万歳!
僕は、ブラウザもGoogle Chromeを利用している。
メールも、いくつかのアカウントをもっているが、最終的にはGmailに転送される。
web系エンジニアをしているので、調べ物は主にGoogle。
いやいや、Googleを利用しない日など、本当に無い。
皆無だ。皆無である。
そのグーグルの収入源である「広告」や、種種のサービス、その生まれた背景、目指すところ。
そんなことについて事細かに取材し、まとめあげた良書。
……なのだが。
全体的に「すべてをGoogleにゆだねてよいのか?」という警鐘を鳴らす内容になっていた。
たしかに、Googleは、個人の検索履歴という、ある意味究極の個人情報(個人の行動そのものと言っても良い)を詳細に記録している。
Gmailにおいては、そのメールの内容を「読み取り」、内容にマッチした広告を表示する。
米国では、決済システムまでグーグルは提供している。
ウェブ進化論*1において、「向こう側」と呼ばれた世界に、自分のありとあらゆる情報をゆだねているわけだ。
これは、どうしようもなく便利な反面、プライバシーの問題や、検索という武器をつかって思想操作をすることも可能となる可能性もある。
(検索結果を操作して、なにが一番支持されている意見であるのか、ということを操作することが可能である)
インターネット世代の自分としては、「そんなに嫌なら使わなきゃいいじゃない?」というだけである。
Googleを使わなくったって、代替手段はたくさんあるんだ。
だから、Googleの支配が怖いのであれば代替手段をつかえばいい。
しかし、僕はGoogleを使い続ける。
いくばくかの個人情報を差し出すことで、莫大なる利便性を享受できるのであればそれでいいではないか。
この本のあとがきで、こうしめてあった
テレビなどの既成メディアが、こうした事態が起きたとき、信頼の置ける情報を出しているか、自戒をこめて常に自己チェックを進めていかなければならないのは言うまでもない。今後世論形成に一層影響力を増していく「検索」が我々の生活に何をもたらそうとしているのかは、引き続き注視すべきテーマなのである。
ようするに、テレビの地位を下げ、いまも下げ続けている「検索」というメディアへのやっかみか。
その”権威ある”テレビ、マスコミの言うことが信用できないということを暴いてきたのは、Googleがひっぱるウェブの力である。
*1:[asin:4480062858:detail]