名称未定ドキュメント"Que"

ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

狼と香辛料VI

狼と香辛料〈6〉 (電撃文庫)

狼と香辛料〈6〉 (電撃文庫)


1〜3までは非常に面白かった。
貨幣経済や商売をメインのトピックに据えて、それに絡んだ事件が怒る。
主人公の行商人ロレンスは賢狼ホロとともに知略を尽くして立ち向かう。
この、題材とライトノベルというジャンルが出会ったことは革命的だった。


しかし4以降はどうだろう?
行商人ロレンスと賢狼ホロ(犬耳おにゃーのこ)のちょっとあれげな珍道中記の様相を呈してきた。
世界観は中世で、貴族がいて、羊飼いがいて、商人がいて、教会が権力を振りかざしていて……
ただの冒険話、ただのライトノベルに成り下がってしまった……とても、とても残念です。


ただ、面白いと思う点が一点ある。
それは、手段と目的が入れ替わっていることを積極的に登場人物が認めているということだ。
当初の目的はホロを故郷のヨイツにつれて帰る事。そのために、ロレンスとホロは旅を始めた。
しかし、5巻あたりで二人がヨイツのある北へ近づくにつれて、二人とも、この旅を終わらせたく無い! と積極的に思うようになった。
ここで手段と目的が入れ替わる。
旅を続けるための旅を初めてしまった。しかも、それを主人公の二人は積極的に認めている。


よくあるRPGなんかだと
魔王を倒さなくてはいけない=>魔王を倒すためには聖なるヅラが必要だ=>聖なるヅラは隣町の意地悪爺さんがもってる=>意地悪爺さんが山に芝刈りにいった切り帰ってこない=>(略)
のように、物語を進めるための回り道はするけれど、彼ら二人のようにゴールにたどり着かないための回り道はしない。
もう、これは不可解としか言いようが無い。
ヨイツにさっといって「じゃぁ、一緒に行商人になるか?」「わっちはヌシの妻になりんす」「ちょwwwwおまwwww」みたいな終わり方でいいじゃん!


物語がいたずらに長引いて嬉しいのは誰か?
信者? 作者? 出版社? 利権を持っている人達?
少なくとも、僕達みたいなただ面白いお話を読みたいだけの人達にはあまり嬉しく無いなぁ……