- 作者: 有川浩,徒花スクモ
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/04/23
- メディア: 文庫
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あめぇ! 巻末の描きおろしの甘さがはんぱねぇっす! ブラボーっす!
短いお話が連なってひとつの長いお話になっている巻。
この辺の一部までアニメになったんだっけ??
有川浩の作品のいいところは、やっぱりライトな読み口なのにしっかり社会派で、しっかり問題提起し、そして白黒はっきり付かないなんとも言えないリアリティが素晴らしい。
今回はまさにその真骨頂。
大きな話が二つあって、それが最終的につながっていく。
小牧が耳の聞こえない知り合いの女の子にレインツリーの国*1をおすすめする。それが、メディア良化委員の目につき、小牧は攫われ尋問される……。
もう一つは、図書館内で恣意的な蔵書破棄が行われる。その遡上に共犯者として郁の名前があげられる。。。と。
ベタ甘ラブコメの皮を被った政治劇だ。
勝ち負けとかじゃなくて、双方に落とし所があって、そのぎりぎりのところで駆け引きが繰り広げられる。
きっとそれだけが描かれていたら、それはそれで硬派で面白いのかもしれないけれども、でも、やっぱり、そこにべた甘ラブストーリーが混ざっているから、広い年齢層に支持される、読み口の柔らかいいい作品に仕上がってるんだろうね。
良作。
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