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名称未定ドキュメント"Que"

hidesukeの読書感想文

"文学少女"と繋がれた愚者

読書

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)

“文学少女”と繋がれた愚者 (ファミ通文庫)


あ、面白くなってきた。


この巻はシリーズの一つのターニングポイントなんじゃないかな?
主人公がちょっとだけ前向きになる。
もの主人公、ずっと過去のトラウマに引きずられて、ウジウジウジウジしてて読んでいてかなーり腹が立つ。
だけれども、同じようなトラウマを持つ友人をもち、なんやかんやでそれを乗り越えて行こうと努力を始める(ような気がする)


前半は、全体的になんだかうじうじしてて暗い。イライラする。
だけど、舞台が始まるシーンはこの作品のなかで一番いいできだと思う。
遠子先輩のやたらと長い説明っぽい台詞が折角の文章のテンポを崩してしまっている感はあるけれども、
それでも、その台詞がこのお話で一番重要なシーンだ。

人はみな、もともと愚かなのだ。
ならばせえて、心に理想を持ち、行動し続ける愚か者であれと。

なんという完璧主義だったんだ、こいつら……。
ま、そんな青臭さがこのお話のいいところでもあるんだが。


この巻で印象に残ったシーンがもう一つある。
ヒロインの遠子先輩は本(というか物語)を食べる。紙をちぎってもぐもぐと食べる。
そして、「このお話は甘いモンブランの味」などと言って、普通の食べ物の味を想像して感想を言う。
でも遠子先輩は普通の食べ物を食べても何も味がしない。
この遠子先輩が後輩からの差し入れのクッキーを食べてこういう

こっちはウェブスターの『あしながおじさん』みたいな味! レモンの香りが爽やかに下の上に広がるの! これはバーネットの『秘密の花園』みたいな味ね! バラ色のジャムが、甘くて、酸っぱくて、とってもロマンチックなの。こっちの紅茶の葉っぱ入りのクッキーは『不思議の国のアリス』かしら? ちょっぴり渋みがきいているところが、最高に美味しいの!」

なんだか、微笑ましいのと同時に、凄い切なさを覚えた。
ああ、こういうところがこの本の魅力なのかもしれない。


さて、徐々に琴吹さんのデレパートが始まってきましたよ。
次の巻では序盤からデレが爆発! ひ、ひぃぃぃ! ステレオタイプなだけで攻撃力抜群!
通勤途中で萌え死ぬこと必至です。