- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
- 出版社/メーカー: オーム社
- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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私、認定スクラムマスターでして、社内でスクラムの布教活動とか結構やってるんですね。
それで、スクラムの入門書として「最近だとアジャイルサムライがいいですよー」とか吹聴してまわっていたんですが、実は俺が読んでなかったっていう、ねっ!
ちゅうわけで、やっとこさ読みました。
これは、スクラムの本という訳ではなくて、アジャイルにプロジェクトを進める方法について書かれた本だ。
ときどき、下手なイラストやマスター先生と熱心な弟子という寸劇が挟まれたりしていて、パッと見はなんだかふざけた親しみやすい本だなぁ、と思って読んでいたら、内容は、すっごく硬派で、実経験に基づいた、本当にいい内容だった。
アジャイルな開発を進める上で、アジャイルなチームを作る方法、計画づくり、開発の進め方、プログラミング、継続的インテグレーションと、アジャイルなプロジェクトにおいて必要なことについて余すことなく書かれている。
が、300ページとコンパクトにまとめられていて、補うべき部分は参考文献が適宜示されている。
『スクラムには決まったやり方は無い』
と認定スクラムマスター研修のときに、なんども言われたのだが、まさにその好例のような内容。
とくに、このアジャイルサムライの最大の特徴は『インセプションデッキ』という手法だろう。
インセプションデッキは、プロジェクトの方向性をチーム全員で共有するために、プロジェクトの一番最初に確認するいくつかの事項だ。
10の手強い質問と課題があり、これらの答えを全員で考える。
- 我々はなぜここにいるのか
- エレベーターピッチを作る
- パッケージデザインを作る
- やらないことリストを作る
- 「ご近所さん」を探せ
- 解決案を描く
- 夜も眠れなくなるような問題は何だろう?
- 期間を見極める
- 何を諦めるかはっきりさせる
- 何がどれだけ必要なのか
これらの事柄をクリアにすると、プロジェクトの目的な見通しがたち、目標を共有することができる。
ブレない開発ができるわけだ。
これが、本書の前半の多くの部分を割いてかかれていて、いかにスタート地点が重要かがよくわかる。
この本は、アジャイル開発をはじめる人や、アジャイル開発にまだ理解の浅い上司などに読ませるのがすごくいいとおもう。
これで、胸をはって、アジャイルサムライを勧めてまわれるぜ