- 作者: ドナルド・A.ノーマン,岡本明,安村通晃,伊賀聡一郎,上野晶子
- 出版社/メーカー: 新曜社
- 発売日: 2004/10/15
- メディア: 単行本
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デザインはセンスじゃない。経験だ。
と、学生のころdesignplexかなんかで読んだことがある。
経験で底上げして、そして最後にモノを言うのはセンスなんだろう。
センスを磨くっていうのは経験をつむと同意かもしれない。
デザインってのは自分勝手なものじゃだめで、それぞれに意味があって、他の人にとってもそれが使いやすいことが必要だ、ということを仕事ですごく思い知らされることがある。
とくにデザイナーさんたちの、事細かなデザイン思想やユーザビリティへの気のくばりかたには本当に驚かされる。
僕達が、エンジニア(プログラマ)としてプロフェッショナルであるように、デザイナーさんたちはデザインのプロフェッショナルであることを思い知らされるのだ。
勉強しないといけない。
デザインそのものについても、もっと理解を深めないといけない。
デザインや開発について理解が無い人達を説得するための、論理的な材料としても、勉強しないといけない。
……と、そういう思いがここ1年ですごく強くなっている。
さて、会社の新人さんが、デザインとかを大学でやっていた子で、その子がこの本を貸してくれた。
あの名著、誰のためのデザイン*1の著者の本であった。
使いやすさとかそういうことだけじゃなくて、もっと情動に働きかけるものもデザインであるという内容。
ほら、みなさんいわゆる「ジャケ買い」をしたことあると思います。
本の表紙や、CDのジャケットの良し悪しはその本の中身や、音楽とは関係ない。
でも、そんなことわかってるけど、ジャケットや表紙が素敵だったら買っちゃうでしょ。
そういう、情動に訴えかけるデザインも重要。
そういうお話。
そういえば、仕事でゲームを作っていたのだが、最初はデザインなんてなくてすべての素材が仮置き。
SDKが用意しているそっけないボタンや、ネットで拾ってきたフリー素材を散りばめて実装をしていた。
しかし、開発も最終盤に画面デザインが完成し、素材がもりもりでてきた。
でてくる端からゲームに実装していった。
僕はそれまで「ゲームの面白さは、デザインなんかに左右されるものじゃない」と思っていたけれども、それはまったくの誤りであった。。。
綺麗なデザインがあったほうが、たとえパズルゲームであっても面白いのだ。
"かわいい”とか”かっこいい"とか。
そういう情動に訴えることっていうのは、とても、とても重要であるということを思い知らされた。
経験と、理論がつながった、すごく良い読書体験だった。
*1:[asin:478850362X:detail]