- 作者: 永江朗
- 出版社/メーカー: ポット出版
- 発売日: 2009/07/14
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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本の流通や、制作環境、本当に活字離れが進んでいるのか? などなど、さまざまな観点からデータや実体験を元にして、客観的に書かれている。
この本、本当に面白い。
特に印象に残ったのは「03 ネット発の本」の項目の以下の部分だ
発表されている作品のほとんどは稚拙で、書店に並ぶようなレベルのものはほぼ皆無と言っていい。編集者の目を通っていないので、表記や言葉づかいの初歩的なこともわかっていない書き手が多い。それでも、各サイトのカウンターを見てみると、アクセス数が万を超えているものがざらにある。プロが書いた書店で売っている本よりもよほど見られている(読まれているとは限らないが)。ネットの力は大きい。
こうしたアマチュアのネット作家たちから、プロの書き手が生まれるかどうかについては、懐疑的な編集者が多い。作家は作品を書くだけでなく、作品を社会に提示しなければならない。ネットはその敷居を低くしたが、それだけに提示してもなんのインパクトも持たないものも多い。
ネット小説を書くという活動をかつてしていて、なんだかもやもやとしていた部分がここに集約されているなぁ……と痛感した。