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ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

遠野物語 柳田國男

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

遠野物語―付・遠野物語拾遺 (角川ソフィア文庫)

以前もっていた遠野物語は知人に貸したまま戻ってこなかったので再度購入。
いや、なんど読んでもこの本は新しい発見がある。
刺激的。面白い!

日本民族学の祖、柳田國男が佐々木鏡石という人物より聞いた遠野の物語を細かに記した一冊。
民族学の資料としての価値も高いが、物語集として秀逸。
とにかく面白い。

三行〜一ページ程度の物語が三百本程度収録されている。
物語の内容は多岐に渡り、遠野の風俗から、土着神、河童、狼、狐、猿、狸、祭り、山人、各種行事、言い伝え、マヨイガ、ザシキワラシなどなど。

構成としては、前半は「遠野物語」、後半は「遠野物語拾遺」

このお話の面白いところは、さまざまな不思議な物語がつい最近まで普通に起こっていたこととして描かれていることだ。
「だれそれの婆さんの話だ」
「自分が子供の頃の話である」
「60年ほど前のことだ」
などなど。昔物語としては、どれも新しい。
そして、語られている物語のところどころに、もう、どうしようもなく、意味もなく人が死んだり、行方不明になったり、戻ってきてすぐにいなくなったりするところが本当に怖い。
その、脈絡の無さが本当にいまでも起こっていることではないのか? と思わせてくる。


でもね、印象に残ったのは

下閉伊郡の山田町へ、関口という沢から毎市日のように出て来ては、いろいろな物を買って戻る男があった。顔じゅうに鬚が濃く、眼色が変わっているので、町の人はあれはただの人間ではあるまいと言って、殺して山田湾内の大島に埋めた。そのゆえであったか、その年からたいへんな不漁が続いたという。これは山田町へ駄賃づけに通うていた、上淵村の虎爺という老人の若かった頃の話である。


(´口`).。oO(人間が一番怖ぇよ)