吉原手引草 松井今朝子
- 作者: 松井今朝子
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2009/04
- メディア: 文庫
- 購入: 6人 クリック: 70回
- この商品を含むブログ (30件) を見る
直木賞受賞作。
そう、俺の敬愛する夜は短し歩けよ乙女*1を抑えての直木賞受賞作です。
ああ、これはすごく、すごく面白い。
豪華絢爛たる吉原遊郭で、葛城という花魁が何らかの事件を起こす。
その事件の真相を、とある男が吉原中を聞いて回るお話し。
インタビューされる人間が各章ごとに変わり、そのインタビューされる人の一人語り風に書かれている。
何が面白いかって、当時の人ですら案内が必要だったという吉原を、まるで見てきたかのように美しく描きあげてある点。
そして、人情。情緒。
もう、なんというかとても面白い作品。
特に吉原の説明をする下記の一文が印象的だった
お歯黒溝にぐるりと囲われたこの三丁四方の遊廓の中は、思えばひとつの大きな舞台なのかもしれませぬ。
*1:[asin:4043878028:detail]