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ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

文藝三行半 ながしろばんり

第8回文学フリマが蒲田にて執り行われたのでいってきた。
目的はながしろばんりの評論集「文藝三行半」である
群像新人文学賞に出して、いいとこで落ちた評論を集めた作品集。
(本当は涼宮ハルヒについての評論をよみたかったけど、本人の都合とかいろいろによりおろされた)


川端康成の「心中」*1について
宮武外骨について
恋空について


大雑把にこの3つについて書かれていた。
実は最初の「心中」論読んでるあたりで投げようかと思っていた……
というのも、まったく共感できないからだ。
なぜこの人は「心中(しんちゅう)」なのか、「心中(しんじゅう)」なのかなんてことについて考え始めたんだ……という点について全く理解できなかったし、そもそも興味がわかなかった。


さらーーっと流して、つぎの宮武外骨の話しになると、もうこれが途端に面白い。
宮武外骨という人の魅力が伝わって来たし、宮武外骨について興味がわいてきた。
ちらっとwikipediaで以前みたことがあったのだが、なるほど、こう言う人だったのか、と。
読者が「次」の行動に移るきっかけになる評論でした。


で、最後の恋空について。
これは観点がおもしろかった。
恋空と、田山花袋の「布団」*2が出た当時の状況の類似点をついた評論。
一番取っ付きやすい話しであったってのもあるかもしれないけど、これは面白かったよ。
恋空、しっかり文学してるね


さて、この本の帯に

コレさえ読めばあなたも落ちる!

と書いてある。
つまり、これ読んで反面教師にしろという筆者の強い意志かと存じます。


イベント価格であればかってもいいかな? という一冊。

*1:[asin:4101001057:detail] この本の中に収録されてるらしい

*2:[asin:4003102118:detail]