- 作者: 夢枕獏
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
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夢枕獏の陰陽師シリーズのスゴイところは
その空気感だ。
人と、妖しとの距離が、まだ小さかった平安の闇。
これを実に良く表現している。
どことなく静かなのだ。
きっと、今ほど喧噪もなく夜といえば本当にたいまつの炎と月や星。
その程度の明かり。
蟲の声が聞こえ、百鬼夜行が闊歩する。
呪術的な要素の強い都。
そんな空気が文字から、行間から香り立っている。
さて、瀧夜叉姫。
長編である。
上手に無駄無く張られた伏線。
その一つ一つが平安の闇を魅力的に映し出している。
長編とは言え、それは面白い映画をみているみたいで、すごくビジュアルに訴えかけてきて、すらすらと読める。
平将門の物語。
おどろおどろしく、そしてすこし切ない。
いやはや、これは名作。