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ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

神様のパズル 幾本伸司

神様のパズル (ハルキ文庫)

神様のパズル (ハルキ文庫)


超天才の少女穂瑞沙羅華(16)と平々凡々な大学4年生綿貫基一の物語。
穂瑞は天才故の悩みを抱えており、綿貫は凡人らしい悩みを抱えている。


たまたま同じゼミの所属となり、ゼミの教授から綿貫に、大学に来ない穂瑞を説得して大学にこさせてくれ、と頼まれる。
最初は適当にあしらわれた綿貫だが、大学の講義の聴講生の老人から「宇宙を作ることはできるのか?」という問いを投げかけられる。
老人をそのまま穂瑞のところに連れて行き、穂瑞に対して同じ質問を老人が投げかける。
すると、穂瑞は何かのスイッチが入り、綿貫と宇宙の作り方という「神様のパズル」に挑む。


と、まぁ、こんな話の物理SF。
日記形式で淡々と語られていくのだが、日記という形をとっているので主人公(綿貫)の心情がありありと語られていて面白い。
というか、主人公がバカ過ぎて腹が立つ。
自分がゼッタイ友達にしたくないタイプだ。だらだらと流されて生きてくる。穂瑞と接して何か変わるのか……と期待してはいたけれど、性格に関してはほとんど変わらず。
ただ、なんだか男らしくなったな。うん。


なるべく、物理の難しい点やコンピュータの難しい点を省略して万人受けするよう工夫をこらして書いてあるのだけれど、逆にそれが薄っぺらい印象を受けるのが残念。
青年、少女の成長を描いた作品としてはなかなか面白いのだけれど、全編にちりばめられた科学のエッセンスは生かしきれてない感じが少し残念。


どちらにしろ、映画向きじゃ無いストーリー。
これ、どう映画にしても面白くはならんだろう……