- 作者: 野村美月,竹岡美穂
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2007/08/30
- メディア: 文庫
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うわぁぁぁぁん。・゚・(ノД`)ヽ
面白かったよーーー。ちくしょー。めちゃくちゃ面白かったよーー。・゚・(ノД`)ヽ
今まで読んだ4つの"文学少女"シリーズは全部この本の為の布石だったんだよ。あぁ、微妙に面白く無い、微妙にご都合主義。微妙に文章下手、微妙、微妙、微妙……と思っていたらここにきて凄くよい一冊になった!!
主人公の心葉が、過去のトラウマである美羽と向き合う話だ。
この美羽という女の子にも辛い影があって、いろいろな事を諦めたり、恨んだりしながらも、本当は自分の望みをかなえるために(汚くとも)一生懸命なんだ。
幾つもの伏線を回収しつつ、あれよあれよのどんでん返し。もう、本から目が離せない……という状態。
駅をでてから会社まで、駅を出てから家までの間、ずっと本を読みながら歩いたのは始めてでした。
少女の心の闇に向き合い、それを上手に少しづつ溶かして行く……見事な展開だった。
最初はずっとななせのターン(デレパート)とか思いつつ読んでいたけど、やっぱりななせのターンだった。この物語の登場人物のなかで相当強い心の持ち主。感情表現は下手だけど、大好きな心葉くんの為に、憎まれ役を買って出たりと、いやいや、凄く良い仕事をしていました。
この巻のいいところは本の新しい読み方を示唆してくれているところ。
この巻で主な題材になっているのは宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」。
実は、持ってるけど読んだ事が無い。
心葉と美羽をジョパンニとカムパネルラにたとえてお話は進んで行く。それぞれの脇役がそれぞれの役を演じていく。
でも、そこで、ストーリーテラーである"文学少女"の遠子先輩が新しい読み方を示してくれるのだ。
宮沢賢治の美しい作品が紹介され、凄く興味がわく。
「春と修羅」*1「銀河鉄道の夜」*2はゼッタイに読もうと思った。
掛け値無しに面白かった。この1冊を読むために前の4冊を買ってよかった、本当に良かったと心から思う。いい本に出会いました。
そういえば、Macでフォントのプレビューを見る時、宮沢賢治の詩がサンプルとして表示される
あのイーハトーヴォのすきとほった風、夏でも底に冷たさをもつ青いそら、うつくしい森で飾られたモーリオ市、郊外のぎらぎらひかる草の波
綺麗な詩だと、思った。