- 作者: 瀬戸内寂聴
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/02/10
- メディア: 文庫
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「末摘花」「紅葉賀」「花宴」「葵」「賢木」「花散里」の6帖です。
華々しく、それでいてあまりのも悲しい巻でした。
なんと言っても「葵」の巻はスゴイ!
源氏の正妻である葵の上、さらに源氏の父上である桐壺帝が立て続けに死去。
さらには桐壺帝の妃である中宮(源氏と不義の子をもうける)が出家。
わーー、こんな話だったんだ!
高校の授業なんかでどろどろとした人間模様だけを聞いて、なんとなーーく覚えていたのだけど、実際に読むとこりゃスゴイ!
御息所が嫉妬に狂い生霊として葵の上を取り付き殺してしまう。
このあたりの実に良く描かれていること! いやぁ……こりゃ本当に面白い。
源氏物語は「あはれ」の文学と言われていた意味がこの歳になってやっとわかったよ。
しかし、この瀬戸内寂聴訳は本文もさることながら巻末の解説が非常にいい。
完結にそれぞれの帖をまとめてくれていて、解説だけを読めばお話が全部わかるようになっている。
理解を助けになる。
しかし、やっぱり源氏はすげぇや。
とりあえず、気になる女は強姦してしまう。
さらには
「わたしは何をしても誰からもとがめられないから、人をお呼びになっても何にもなりませんよ」
などということをさらりと言ってのける傍若無人っぷり。
平安時代って…………