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ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

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DDD 1 (講談社BOX)

DDD 1 (講談社BOX)


実は本としてはいろいろ微妙だったりする。
講談社BOXシリーズ。勝手に箱入り娘と呼んでいるが、このシリーズ、何故か本が箱に入ってる。
いったいどういう意図があっての事か、てんで検討がつかない。
そして、本文のフォント。ちょっとおどろおどろしい感じのフォントが使われている。(たぶん隷書体)
これがもう、なんとも言えずすばらしく読み難い。本当に勘弁してほしい。


文体も最初、「あれ?これ本当に奈須きのこか?」と思ってしまうような感じ。妙に軽い。
そして妙に状況を掴み難い。いや、それは小説を面白くしようと意識してやっているんだろうけど……。
この人、やっぱり小説むかないよねー、とか思って読み進めてみたらやっぱり面白かった


悪魔憑き……A異常症という精神疾患がはびこる世の中。
主人公の石杖アリカはA異常症の実の妹に左腕を喰われて隻腕である。
また、自身もA異常症患者の収容所に1年半ほど収容されていた経験を持つ。
主人公は両手両足が義手義足の絶世の美女(に見える男の子)の世話役という仕事で食いつないでいる。
そして、二人は悪魔払いを行っている……。


というストーリ。あとはあれだ、毎回ちょっとかわった悪魔憑きの皆さんがでてきてすったもんだで悪魔払いーー
という、ありふれた構成のお話。
この作品の設定の面白いところは悪魔憑きという病気が「精神病」の一種である事。
行き過ぎた精神病が、新部と呼ばれる新しい臓器や力を生み出し人間を化け物にしてしまう……というところだ。
うんうん。奈須きのこっぽいじゃない。


各話にちりばめられたトリック(?)はいかにも奈須きのこらしいもの。
最後の方であれびっくり! いつの間に入れ替わったんじゃーー!!
というような類いのアレ。
でも、やはりこの人の本領発揮はバトルだろう。
マト警部補 vs 石杖カナタの一戦は流石。
ほかはちょっと間延びしてる感じなんだよねーー


書きたくて書いた作品というより、お仕事が振ってきたから一生懸命考えて書いた作品という感じ。
世界観とかキャラとかが奈須きのこ作品にしては練り込みがいまいちという感じだった。


しかし、この兄の左腕を喰った悪魔憑きのとんでもない妹(石杖カナタ)が割とイイ!
「や、兄さんは……」というような台詞まわしはどこかの朝倉由夢さんを彷彿とさせら愚息がとんでもない事に!!
なんか、ぼろぼろにやられてるのにかわいらしい台詞まわしとか、100kg級のサンドバッグをひたすら殴りつける様子とか……
これはこれでいい物ですな!
2巻の表紙は是非妹でお願いしたい!!


あ、でもほんの帯(?)に書いてあるように「やっぱりこの人、天才」と思えるほど面白くは無かった事を追記しておく。