名称未定ドキュメント"Que"

ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

ディスコ探偵水曜日 舞城王太郎

ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)

ディスコ探偵水曜日〈上〉 (新潮文庫)


ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)

ディスコ探偵水曜日〈中〉 (新潮文庫)


ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)

ディスコ探偵水曜日〈下〉 (新潮文庫)


なんかスッゲー久しぶりに舞城王太郎作品よんだぜ!
人がドバドバ凄い勢いで、かなりグロイ感じでバッタバッタと死んでいき、それでも大事なのは愛なんだぜ! と叫び続ける感じのぶれなさが最高だった。


最高傑作の呼び声高いこの作品、いやー面白かったけど、脳みそぐるぐるな感じですげー難しかった。。。こういう方向の想像力ってやつがまじですごい。


この作品はミステリの皮をかぶったSFとみせかけた純文学だ。
迷子探し専門の探偵 Disco Wednesdayyyは今は日本の調布に住んでいて、いぜん助けた迷子の女の子、梢を保護してくらしてるんだけど、ある日その梢に17歳の梢がやってきて、梢の身体がボーンと大きくなって、それを解決するために、福井県西暁町にあるパイナップルハウスに行くと殺人事件の解決のために名探偵達が推理合戦を繰り広げてて、推理に間違うと片目を箸で突き刺して名探偵たちはバッタバッタ死んでいき、そうこうしてるうちに時空を超えて、時空や時間の概念が変化していって、気づいたら世界中の子供達を助けるという壮絶なストーリー。


……まじ、意味がわからん。しかし、まぁ、そんなもんだ。


この作品でも、未来が出てくる。
その未来ってのは、穏やかで均一で、何も生まれない、停滞した世界。
ちょっと前に読んだ『新世界より』『ハーモニー』も表現は違えど同じような未来を、現代文学の旗手たちが想像したのはすごく興味深い。
でも、この作品では、そんなことは本質ではなくて、梢という少女と世界中の子供達への愛なんだぜ! っていうね。


しかし、名探偵たちの推理合戦で、前提条件がどんどんかわり、というか、世界の認識がどんどん変化していき、それに合わせたびっくり推理が次々と飛び出し、みんな間違って、どんどん死んでいく部分はまじで圧巻。
作者の立場からみると自己否定に自己否定を加えてどんどん高く飛んでいく、そんな圧倒的な想像力と筆力は本当にすごかった。



てか、表紙のKEI絵が可愛いです>