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名称未定ドキュメント"Que"

hidesukeの読書感想文

クジラの彼 有川浩

読書

クジラの彼 (角川文庫)

クジラの彼 (角川文庫)


自衛隊三部作からの短編集。
有川浩の素敵ベタ甘ラブロマンスの短編が6作が収められている。
そのうちの何作かは自衛隊三部作からのスピンオフ。


結論から言えば、もう、どうしようもなく、めちゃくちゃに面白かった。
あとがきから引用しましょう。

自衛隊で取材をさせて頂けるようになって、階級がすごく上の方々にもお話を伺うことができたのですが、「自衛隊で恋愛物をやります。ベタ甘です」と申し上げますと皆さん相好を崩して「それはいいね!」と仰ってくださいました。
「自衛官も恋愛したり結婚したりするフツーの人間なんだということを書いてやってください」
 それは恐らくご自分の大勢の部下たちのために。


自衛隊という特殊な環境における、恋愛模様。
その特殊な環境だからこその物語は、とても面白い。

一例をあげよう。
表題作「クジラの彼」では、潜水艦乗りとの遠距離恋愛について描かれている。
ただの遠距離恋愛であれば、それはただの距離の問題で、相手がどこにいるか、いつ連絡がつくかも分かる。
しかし、潜水艦乗りの場合、一度海に出たらいつ港に戻るかわからない。国防機密でその航行スケジュールは身内ですら明かされない。
航海中は電話もメールも繋がらない。一度海に出たら何ヶ月も連絡がない。たまにメールが来ると思ったら1,2行のそっけないメール。
その彼を待つ、彼女の苦悩が描かれている。
まぁ、有川作品なのできちんとハッピーエンドなところがまたいいんですよ!


その他にも、脱柵する新人の話、女性ファイターパイロットの話などなど
これは必読の一冊