読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

名称未定ドキュメント"Que"

hidesukeの読書感想文

男の民俗学 I 職人編 遠藤ケイ

読書

男の民俗学〈1〉職人編 (小学館文庫)

男の民俗学〈1〉職人編 (小学館文庫)


以前、といっても3,4年前だが、男の民族学3大漁編*1だけよんだことがあった。
その本屋にはこの「大漁編」しかおいてなく、そのとき読んで「わー、おもしれー」くらいで終わっていたのだが、
このたび、セカチューを探しているときに、たまたま1職人編、2山野編をみつけたので迷わず購入。(セカチューを捨てるかどうかでは迷ったが……)


この本は、さまざまな職人の仕事や生活について、豊富なイラスト付で紹介されている本。
1職人編では、黒衣、花火師、祭り人形、軍鶏、リヤカー、チンドン屋などなど40近い職業について紹介されている。
実にさまざまな職業があり、その一つ一つに男達の濃厚で、不器用な生き様がある。
もはや、感動すら覚える。

冒頭に寄せて、作者はこう書いている

古い時代の民俗を体系的、分類学的にまとめた、いわゆる研究対象としての学術的な民俗学の在り方に疑問を感じて、自分が生きた同時代の、まさに血が通った庶民の民俗をありのままに書きとめることに情熱を燃やしてきた、その記録が、四半世紀を経たいま、すでに分析作業が必要な民俗資料になってしまっていることへの驚きを禁じえない。

つい四半世紀前に取材した内容が、2009年の今、すでに消滅してしまっている生き様も少なくない。
近代化、効率化がもたらした利便性を享受する一方で、このような失われていく伝統、文化があり、そしてそれはもう再現できないという現実を見せ付けられ、なんとも寂しい気持ちになった。

*1:[asin:4094116230:detail]