- 作者: 犬村小六,森沢晴行
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2009/02/19
- メディア: 文庫
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前作、とある飛空士への追憶*1が素晴らしく面白かったんだ。
だから、凄く不安だった。
1巻完結で凄くおもしろい作品の、二匹目のどじょう的な売れ行きを狙う作品っていうのは、なんだか小粒でまったくつまらないものが多い。
ま、結論から言うと、まったくの杞憂だったけどね。
とある飛空士への恋歌は1巻完結じゃなくて、長い物語の序章であった。
クーデターによって放逐された皇子は、とある飛行機技師の息子として育てられる。
この元皇子は飛空士となり、空飛ぶ島イスラに居住し、セカイの果てを目指す。
そんな壮大な物語なのだが、これはもう三角関係の恋の予感ですよ! 予感!
ただ、とても残念だったのは次の下り
クーデターのその日、屋敷が騒がしくなり、王が執事に何事か尋ねる部分。
「なにがあったというのだ」
カールの質問に執事は少し考えてから、静かにつげた。
「革命です」
ここで王は、この執事を切り捨ててしまうべきだった。
この場合「反乱」「謀反」「暴動」などと応えるべきだ。
「革命」というのは、「革命」が成功したあかつきに「革命」と呼ばれるものだ。
もしもここで「革命」がならなければそれはただの「暴動」だ。
まだ革命が成っていないのに、その暴動を「革命」というのは、それは執事として決定的に間違っているだろう。
前半のその部分が圧倒的に残念だったが、残念なのはそこだけ。
早くアニメ化を!
恋歌はアニメ化して、追憶は映画化してほしい!
*1:[asin:4094510524:detail]