- 作者: 森川嘉一郎
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2008/12
- メディア: 文庫
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これは面白かった!
オタク論なのだがその視点が面白い。
都市論からみたオタク論なのだが、なるほど確かに! と納得の内容が多かった。
『趣都の誕生』と言っているくらいなので、ここで対象となっているオタクは「アキハバラにやってくるようなオタク」
そもそも、家電の街がパソコンの街になり、はてはマンガアニメゲームの街にどのようになったのかからはじまる。
渋谷の風景と秋葉原の風景の違いについての違いなんかについて語られている点は非常に興味深い。
一般の「オタク」のイメージがどのようなものかということを浮き彫りにする比較だとおもった。
心に残った部分をいくつか引用
「虚構それ自体に性的対象を見出すことができる人」という特徴を導く。
(中略)
ゆえにオタクとは思春期以降の存在なのだという。
思春期以降の存在ということに納得。
パイロットは戦闘機の中で一番効果な部品
ワイドショーにとって、オタクは見世物や笑い者に仕立ててもポリティカル・コレクトネスを問われない存在として(中略)さまざまに活用されることとなった。
マスコミ怖! 怖いわ!
以前読んだ動物化するポストモダン*1はオタクの消費行動をその作品の中に求めたが、こっちはそれを都市や飛行機といったものに求めるという点が本当におもしろかったよ
*1:[asin:4061495755:detail]