- 作者: 和田竜
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2007/11/28
- メディア: 単行本
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帯より引用
時は乱世。
天下統一を目指す秀吉の軍勢が
唯一、落とせない城があった。
武州・忍城。
周囲を湖で囲まれ、
「浮城」と呼ばれていた。
総大将・成田長親は、
領民から「のぼう様」と呼ばれ、
泰然としている男。
智も仁も勇もないが、
しかし、誰も及ばぬ
「人気」があったーーこの城、
敵に回したが、
間違いか。
忍城は現在の埼玉県行田市にあった城である。
ここで、石田三成vs成田長親の戦いがあった。
石田三成軍 4万。成田長親軍4千(農民、女子供含む)。
圧倒的不利の中、ついに成田長親率いる忍城は落城しなかった。
そんなお話。
主人公の「のぼう様」成田長親は醜男である。
太っており、不器用で、目が細く、表情に乏しい。
農作業が好きだが、不器用であるがために「のぼう様」が手伝った田植えの田は4日間を使って植え直すことになる。
『でくのぼう』を略して「のぼう様」だ。
陰口で言われているわけではない。
面と向かって、農民からそう呼ばれているのだ。
愛嬌があるのだ。抜群に人気があるのだ。
みんなに慕われて、信用されているし、長親は農民を信頼している。
この人気と相互の信頼こそが、忍城が落城しなかった最大の要因なのだろう。
胸を熱くするものがあった。
長親の人柄により、農民達が一丸となって戦いに入って行くシーンなんか、涙を堪えながら読んでいた。
熱い。熱いんじゃ!