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名称未定ドキュメント"Que"

hidesukeの読書感想文

床下仙人 原宏一

読書

床下仙人 (祥伝社文庫)

床下仙人 (祥伝社文庫)

5つの短編からなる小説。
現代の、仕事に忙殺されて疲れ果てるサラリーマンの日常に、なんだか奇妙な変化が訪れる。
そんな諧謔に溢れた短編集だ。


どれも、主人公はサラリーマン。
仕事に忙殺され、家庭を顧みない。
表題作の「床下仙人」では、そんな主人公の家の床下に仙人のような風貌の男が住み着く。
「てんぷら社員」は主人公のとなりに50代の平社員が支社から本社に転勤してくる。うだつの上がらなそうなその平社員は主人公に「不正を暴いて会社を潰そうと思います」と告白する。
「戦争管理組合」では、男社会に半旗を翻し、女社会を実現しようと、セカイに宣戦布告をするマンション管理組合員たちが登場する
「派遣社長」ではある日、派遣社員が社長として派遣される
「シューシャイン・ギャング」では、突然渋谷で自分の娘ほどの歳の離れた娘と靴磨きを始めることになる。


どの話も、どこか世間を厳しく風刺していて、それでいてユーモアに溢れている。
ユーモアなんてれべるじゃないかも。その発想は無いわ。
現代版カフカと呼ばれるように、『ある日』『突然』『ありえない変化』が訪れる。
そのあり得ない変化が、また上手に世間を風刺しているのがおもしろいんだな。


表紙の折り返し部分にはイッセー尾形からのメッセージが書かれているが

本書は、金太郎飴のように何処を取っても激務の会社人間しか出てこない。小説を読む余暇ぐらい仕事を離れたいよ、と思うだろうが、そんな人にこそ本書を奨めたい。

とある。
対して激務ではないけれども、会社の「おもしろくなさ」に疲れ果ててる自分が読んで、すっごい面白かったw
サラリーマンにお勧めの一冊。