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ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

サウスバウンド 上

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)

サウスバウンド 上 (角川文庫 お 56-1)


奥田英朗といえばちょっと前に空中ブランコ*1直木賞を受賞した実力派だ。
僕はインザプール*2を随分前に読んだけど、あれは面白かった。


このサウスバンドは2006年本屋大賞2位!10月6日から映画公開というとてもホットな作品だ。
本屋大賞の本はハズレがないからとてもよい。


主人公は東京・中野に住む小学6年生。
父親は昔は学生運動をやっていたバリバリの過激派。
何かと反社会的な父と、子供らしくその日その日を戦って行く息子の物語。
上巻は東京編。下巻は沖縄編といった感じだ。


なんだか青春群像小説を読む事が多いなぁ……と思うが、面白いから仕方ない。
この主人公、じつにいい感じである。
自分たちの小学生の頃を思い出す。


僕が住んでいた場所の中学校が……まぁ、荒れていて、そういう中学の近くにある小学校はそういう悪ガキの予備軍が沢山いるわけだ。
今、冷静になって考えてみるとやたらと母子家庭が多かったし、みんな襟足がながかったw
やたらとMIKIHOUSEのスウェットを着てる茶髪の兄ちゃん、姉ちゃんが多かったし、しょっちゅう喧嘩していた。
他校のやつが遊び場にいたらとりあえず因縁つけたり、つけられたりしてたし、相手がアレだったら、すぐに中学の先輩に応援を求めたりしてた。
ま、ようするにそう言う環境だ。


小説の主人公の二郎は中学生のカツと大いに戦った。理不尽な暴力に知略を尽くして抵抗した。
(結局は、居候のおじさんが手を出す事になるのだが……)
そして、この話にスパイスを加えているのがなんと行っても元過激派の父親だ。
伝説の闘志と言われた男で、いまだに真っ赤な思想を振りまいている。
この父親を頼りに、若い活動家が二郎たちの家にころがり込むのだが……


ただただ、小学生らしい小学生二郎と、時代錯誤なまでに反社会的な父の一郎。
この対比が見事に描かれている。
二郎は父親の言う事はあまりわかっていない、けれども型破りでいつも家族を振り回す父に反感をいだいている。
これが、ひょんな事から沖縄に引っ越すことになるのだが、ここからの父への態度のかわりかたなどがとても面白い。
これは下巻まで読んできちんと感想かくさ。


だって、語りきれない程に面白いんだもの。

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*2:[asin:416771101X:detail]