- 作者: あさのあつこ
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/11
- メディア: 文庫
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ああ、これが青春群像小説という物か。
著者はバッテリーで有名なあさのあつこさん。子供でも読みやすい、さらりとした文章が素敵な作家さんだ。
主人公はちょっと勉強のできない高校生達。とくに美穂と美咲を中心にお話は進んで行く。
よくよく考えてみると、どこにでもある、特別なことなんて無い普通の高校生の日々。
それぞれに悩みがあり、抱えているものがあり、恋をして、失恋して、心底理解し合える友達がいて
そんな普通の日々が描かれている。
普段、読書をするときは「この本のテーマは何だろう?」を考えながら読むのだけど、この本はあまりにもさらりと読めてしまってテーマを考えることを完全に忘れていた。
なんだか、国語の教科書とか、入試とかの題材になりそう。いい話。読んでいて、気持ちいい話。
ああ、そうだ、これは本当になんでもない、友情の話なんだ。
お互いの事をそれぞれのやり方でよく分かっている、そんな高校生達のお話。
それぞれにプライドがあって、それぞれそれを尊重し合っている。いいね。すごくいい。
そういう友達って、高校生くらいの頃までだよね、できるの。
過ぎてしまった時が懐かしく、うらやましい。
是非、中学生から高校生にかけての人達に読んでもらいたい一作。