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ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

スクールアタック・シンドローム

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)

スクールアタック・シンドローム (新潮文庫)


舞城王太郎の作品としては珍しいものを読んだ!
この作品は三つの短編が収録されている
1. スクールアタック・シンドローム
2. 我が家のトトロ
3. ソマリア、サッチ・ア・スウィートハート


スクールアタック・シンドロームは息子が殺害計画を書いたノートをもっている話。
暴力は伝染するという話なんだけど、ダメ親父と息子の親子愛を描いた作品。
親父が息子を理解しようとがんばる様が描かれている……と書くとなんだか普通なのだけれど、手法がやっぱり舞城だ。
息子の奇行を前向きに取りつつ、本当の息子の姿を一生懸命理解しようとする。


ソマリア、サッチ・ア・スウィートハートは死んでも生き返る女の子の話。
家族に愛されず、それでも家族であることを必死に求める。
スカトロでカニバリズムな叔父に杣里亜は殺され、喰われ続ける。
その度に生き返る。


この二つは舞城らしい。人は死ぬ。それでいて、どこまでも愛の探究者だ。


我が家のトトロは今まで読んだ舞城作品のなかで兎に角異色だった。
何が異色だったかというと、人が死なないのだ。
学校でイジメにあった娘が「ふくしゅうノート」の中で殺し方を書いているだけで結局だれも死なない。
ブラックポップ。舞城作品をかたる、このキーワードは失われない。
でも、人が当然のように死んで行くシチュエーション以外で愛を探究する作品は始めてで、なんとなく新鮮だった。



さてさて、この文章、映画『パプリカ』を見ながら書いたのだが、なんだか全部パプリカにもって行かれて書きたい事わすれちまったよウワァヽ(`Д´)ノァァン!
パプリカで涙腺刺激されてちょっと涙ぐむ俺って何なんだ!

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