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新釈 走れメロス 他四篇

新釈 走れメロス 他四篇


走れメロスを知らない人はいないだろう。
太宰治の代表作で人間の友情と信頼の大切さ、美しさを力強く描いた作品だ。
「メロスは激怒した。必ず、かの邪智暴虐(じゃちぼうぎゃく)の王を除かなければならぬと決意した。」
というあまりにも有名な一文から始まるが「那智暴虐」の那智はナチスのナチだと随分長いことおもってた俺は中学生からやり直した方がいいと思う。やり直させてくれ。


さて、さて、今回の読書「【新釈】走れメロス 他四篇」は最近鬱陶しいくらいプッシュしている森見登美彦の作品。
「走れメロス」「山月記」「薮の中」「桜の森の満開の下」「百物語」という日本文学の金字塔とも言える作品を下書きに、森見得意の青春小説に仕上げたものだ。


これを通勤中の電車の中でよんでいたのだけれど、いや、マジで爆笑していた。薮の中や桜の〜はわりとしんみりした味わい深い作品なのだが「走れメロス」はもうサイコウに笑わせてもらった。


「夜は短し歩けよ乙女」「四畳半神話大系」とクロスオーバーする舞台設定だが、上記二つを読んでいる必要は全くない。むしろ、立ち読みでもいいから「走れメロス」だけ読むことを強くお勧めする。


……ただし、爆笑するから買って家でこっそり読んだ方が無難だ。


このメロスはこう始まる
「芽野史郎は激怒した。必ずかの邪知暴虐の長官を凹ませねばならぬと決意した。」
かくかくしかじかあって、彼は邪知暴虐の図書館警察長官とこんな約束をする
もしも、明日の日没までに戻らなければ学園祭のグランドに設営してあるステージで、楽団が甘く奏でる『美しく青きドナウ』に合わせて桃色ブリーフ一丁で友人をおどらせる、と。


かくして、芽野史郎は逃げ出す。あっさりと。友人を見捨てるw
この友人の言葉が心に染みた
「俺の親友が、そう簡単に約束を守ると思うなよ」


なんて熱い信頼と友情!
バカだ……こいつらゼッタイバカだ……
だがそう言うのが大好きだ!!


Amazonで「走れメロス」で検索したら、なんと太宰のよりも検索結果が上にくる!
原作を超えた! 【新釈】走れメロス! 是非ご笑覧あれ!!