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ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

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神様ドォルズ 1 (サンデーGXコミックス)

神様ドォルズ 1 (サンデーGXコミックス)


どんな腐れ萌え漫画かと期待してかってみたら激しく期待を裏切られた。いい意味で。


主人公の住んでいた村では『案山子』と呼ばれるなんだか分からない、巨大なこけしのような人形を神として崇めていた。
これは、様々なことに使用される。
例えば、土木作業。
例えば、戦の道具。
#包丁と同じだ(ちょっと違うか)。
これを使える人を「隻」と呼ぶ。
主人公は「隻」であったが、それをやめて東京の大学に進学する。
しかし、ある日、殺人事件の現場に遭う。その殺人は他の「隻」が行ったものだった。
凶悪な「隻」から主人公(兄)を守るため、村から新たな「隻」となった妹が上京してくる……


といったストーリー。
よくある展開ではあるが、やたら人が死ぬ割に淡々としていて面白い。
これは、村の掟で「隻が何をやっても不問」というものがあることが根底にあるからだろう。
村の者とソレ以外の者での温度差が良く表現されている。
惨殺死体をみても平静でいる主人公。殺人犯で主人公の幼なじみでもある凶悪な「隻」と対峙しても「これ以上騒ぎを大きくしないでくれ」といって卑屈に頭を下げる。
過去のトラウマ系ではなく、過去を過去のモノとして受け入れて、その上で自分の生き方を確立させているこの主人公、侮りがたい。そこがこの作品の面白いところだ。


現「隻」である妹のお兄ちゃん好き好きな感じで、不器用ながらも一生懸命に案山子を操る練習をするシーンもなんだか微笑ましい。
いままでの、これ系の漫画とはいろいろと視点が違うところがとてもいい。
続きが気になる一作。