- 作者: 瀬戸内寂聴
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2007/06/15
- メディア: 文庫
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若菜(上)(下)を収録
第2部の始まり。
予想だにしない事件が数々起こります。
まずは女三の宮の降嫁。
女三の宮は源氏を須磨に流した朱雀院が偏愛している娘(つまり皇女)。
歳は13,14といったところ。
朱雀院の病が重く、出家をしようと思うが後にのこされる女三の宮の事が気がかりでならない。
婿候補には源氏の息子の夕霧や、右大臣(源氏のライバル)の息子柏木、源氏の弟(?)蛍兵部の宮などが候補にあがるが、朱雀院は結局源氏を婿に選ぶ。
このとき源氏は40前後。
まさにあれだ
;;;;;::::::: :.:... レ.>'-'└=-'´"mラ、,.) ;;;:;;::. =、 j '´ __`) ど ロ こ ;;;;`ー-、ヲ ー二、 も リ の ;:. / r ´ ̄ `ヽ ー=、' め コ ::.`'`ヲ /' . -‐- 、 ヽ ノ !! ン ;::::`ヽ {./ rュ 、 ヽ.} /_ >へ_i ヽ;:`'ー-‐'.ナ/ っ "'' { `ー==-'´ //ヽ、,へ/´ つ=-^、 {'"ー=、 :;;; } ,、ノ爪ゝ、 .,,::;;; ラ>' '~´`5、 ., r'^ j^ヽ__, `ー
というやつだ。うらやましい。俺と変わってくれ!
巻末の解説には"このとき源氏は断る事もできたが藤壷の妹の娘であり、またその年齢にエッチな気持ちが隠せなかった(超意訳)"というようなことが書いてあった。
非常に頭の切れる紫の上はこんな源氏の下心も読み取ったのだろう、源氏への信頼を一気に失い、出家への想いが強くなる。
次の大事件は、紫の上が倒れる。というか一度死んでしまう。
女三の宮の一見もあり心労が重なり倒れてしまったのであろう。
……だけでなく、源氏がピロートークの最中に昔の女の品定めをして、「やっぱり紫の上が一番だぜ」的なことを言っているときにうかっかりぽろりと六条の御息所の話をしてしまう。
この六条の御息所、源氏の若い頃に、源氏物語の登場人物中No.1の人気を誇る(?)夕顔の君を、生霊となって呪い殺した人物である。
そんな六条の御息所の悪霊が紫の上を殺してしまう。
必死の加持祈祷の末この悪霊を撃退し、紫の上は息を吹き返す。
いやはや……まったく恐ろしい。
最後の事件。女三の宮、ご懐妊。
ただし相手は柏木。
えーーー! という感じである。
紫の上が病気で倒れているすきに、好きな気持ちが押さえられなくなった柏木が女房の手引きで女三の宮を犯してしまう。
女三の宮は柏木のことをただただうざったく思うのだけれど、どうもおっとりとして、柏木の事を拒みきれず、なんどもなんども……
そして柏木の子供を身ごもってしまう。
源氏は、ひょんなことから柏木が女三の宮に宛てた手紙を発見し、すべてが分かってしまう。
と、同時に故・桐壺帝も自分と藤壷の不倫の事を全部わかっていて、それでいて見てみぬフリをし、さらに源氏と藤壷の不義の子冷泉帝を育て上げたのではなかろうか、という想いに至る。
それで、源氏は柏木に対して努めて冷静に、普通に接する。
自分がやってしまったことがそのまま自分に帰って来たわけだ。
栄華を極めた1部から、失意と絶望に彩られた第二部。次の巻はいよいよ「雲隠」の巻のある第7巻である。