- 作者: 河合香織
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2006/10/30
- メディア: 文庫
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障害者の性について、そして障害者の性介助についての9編からなるルポルタージュ。
以前、新聞で「障害者専門の風俗がオープン」という話を読んだことを思い出し、興味がわいて手に取った。
自分は好き嫌いが激しく、しかも聖人君子でも無い。
当然の如く様々な偏見に満ち満ちて生活をしている。
この本のいいところはそう言った偏見に満ちた部分に鋭くメスを入れた部分だ。
障害者と言っても同じ人間。感情だってある。介助されるということが苦痛な場合もある。
そうか、差別か……と、気付かされる部分が多かった。
是非、いろんな人に読んで欲しいと思う。
が
この作者の書き方、スタンスがとても気に入らない。
不快。本当に不快。
本を読んでいて感じるたのが、この作者は何かの強烈なミッションを感じて取材を行ったわけではない、ということ。
まさに「興味本位」「怖いものみたさ」みたいなものが見え隠れしている。
自分は聖人君子ではない、多くの読者と同じ、無知で失礼な健常者ですよ〜〜という点をアピールしているのかなぁ?
いや、でも、その偏見に満ちた質問があるおかげでより、リアルになっているのかもしれない。
とは言え、通勤時に読んでて、一日気分が沈んでいた。
この本の最後、高山文彦氏の解説にこうあった
ものを書こうとする者は、決まって取材対象者に最後の最後まで敗れつづけるのだ。そしてそこから落ちのびるように、つぎの作品に立ち向かうのだ。
物凄くしっくりくる一言であった。