今月は集めている漫画の新刊ラッシュやらなんやらで調子に乗って20冊近く買ってしまった。
その中の一冊
- 作者: 岡田和人
- 出版社/メーカー: 秋田書店
- 発売日: 2006/11/20
- メディア: コミック
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という漫画がある。
内容は、エロの方が全面に出ているラブコメのような作品なのだが、ヒロインが第一話で主人公に提示する、この漫画の世界観を作る重要な台詞が興味深い。
君とはSEXしないよ
他のコ達とはしても
行きずりのヒトともしても
地球上で2人きりになったとしても
君とだけは絶対にSEXしない
そして、ヒロインはこの条件を使って主人公を"寸止め"地獄に合わせていじめ抜くわけだが……。
何が興味深いかって、そこには夢も希望も友情も努力も勝利も何も無い点だ。
「SEXはしない」
ただそれだけの条件でこの漫画は成り立っている。
このヒロインが何故そんな事を言うのか、といったことはまだ何も描かれていないから、この先徐々に描かれて行くのだろうが……。
漫画が多様化しすぎて、その前提条件の面白さが漫画の面白さを決めるようになってきたのかな、と思う。
昔は漫画に求められるものは「努力・友情・勝利」だったわけだ(ジャンプにおいては)
でも、この作品で求められているのは「SEXしない・寸止め」の2点だけ。これを守っている限り漫画は続く。
そこには努力や友情や勝利と言った分かりやすい目標が無い訳だ。
そして、ただの下ねた漫画なので1巻にして既にネタ切れ感が否めないあたりが……。
型にはまった面白い漫画というのは、おそらくジャンプという特殊な週刊誌上でしかなく、そのほかの漫画は設定の面白さでしのぎを削ることになっているんだな。
……となぜか唐突に理解させられてしまった漫画でした。