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ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

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ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

ブレイブ・ストーリー (中) (角川文庫)

やっと、このストーリーで言いたいことが見えてきた。たぶん、だから宮部みゆきは型で押したような「ファンタジー」という世界を選んだのだとおもう。
彼女はきっと子供に対してメッセージを投げたかったのだろう。多分、映画ではそのメッセージが1mmも1mgも伝える事ができてなかったと思う。
ブレイブ・ストーリー (上) (角川文庫)は現代編で、主人公ワタルの現状と、変化して行く周りについて書かれていた。
幻界へとワタルが旅立つ動機付けも弱いように思える。


中巻を読んで思った。コレは少年の成長のお話ではあるけれども、子供にいろいろなことを考えて欲しいという願いが込められているんじゃないかな、と。
作中、様々な登場人物、様々なシチュエーションが登場する。
その中で繰り返しでてくるのが『立場が違うと、その人の正義も変わってくる』という事だった。
そういえば、上巻で語られた両親の離婚の話もそうだった。
ワタルからすれば理不尽な話だが、父親からすればそれは仕方の無い事かもしれない。母親も決して正義ではない。汚い手をつかって旦那を手に入れているし、打ちのめされた後は無理心中を計る。
それぞれにそれぞれの理由が合って、正義がある。正義なんて無いのかもしれないけどね。


中間はそんなモチーフが何度も何度もでてくる。ワタルの中での葛藤や、幻界(ビジョン)での宗教の問題。人種差別。神の不公平。富める者/貧しい者……。
多分、子供にそういった事を考えて欲しいのだと思う。他人を思いやること、他人の気持ちになって考えること。
人は、「他人の気持ちを考えて行動できている」という人ほど実は自己中心的だったりするんですよね。(俺とか


いや、しかしワタルの成長しないっぷり、自己中っぷりにはさすがに腹が立ったり立たなかったり……