名称未定ドキュメント"Que"

ゴーゴーカレーでロースカツビジネスルー増し頼んでキャベツを4回おかわりするブログ

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ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)

ぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)


幸せよりも不幸の方が強く心に残ってしまうから、一日のうちにいくつもの不幸が重なると心が折れてしまいそうになる。
そういう意味で昨日は不運な日だったと言える。
朝から天気がよくて、気持ちが良かったので洗濯をして大学に行った。作っているプログラムも少し(だが悩んでいた部分が)できてちょっと気分が良かった。よく集中していた。この集中を維持したままバイトにいって(バイトの空き時間で)プログラムをどんどん書くぞ、と気合いを入れていた。
そしたら突然の豪雨。
傘をさしていても一瞬でびしょ濡れ、こんな中パソコンを持ち歩く訳にも行かずバイトにパソコンを持っていくことを断念。この横殴りの雨だと洗濯物もきっと全滅。
これだけでも憂鬱なのに、電車に乗ったとたんに雨がやんでつくずく自分は雨男だと思うと気分が沈む。バイト(電話番。テレアポとかサポセンじゃなくて電話番)中に読む本を探しても欲しい本がちょうど売り切れていて買えなかったり、財布の中に500円しか入っていなかったり、夜に三菱東京UFJからお金がおろせなかったり、プログラムの小さな(だけど直すには時間のかかる)バグを見つけてしまったり、時間なかったり、追いつめられたり、行き詰まったり……


三つ以上の不運が一日にやってくると、いろいろなこと全部が不運に感じられてしまいます。


でも、逆によかったこともあります。例えば買った本が全部面白かったこと。
本屋さんで「野間新人賞受賞」と書いてあったというだけの理由で買ったぐるぐるまわるすべり台 (文春文庫)が凄く面白かった。
いや、違うな。上手だった。目指すべき形があった。自分では絶対に真似できないと思った。


一つの大きなストーリーが有って、一見関係のないようなお話がちりばめられている。でも、その関係なさそうなお話も実は全部作者の言いたい事を表すのに必要な事なのだ。例えば黄金律の話。塾の生徒の話。バンドのメンバー募集の話。退学する話。
主人公の周りでは様々なコトが動き出す。バンドが結成されたり、不登校の子が学校に行く決意をしたり。変わらないのは黄金律と教授の生活リズム、そして主人公だけ。いや、主人公は変わったのかな?ちょっとそこのところは分からない。
主人公の視点で描かれ、主人公のコトについてはあまり触れられない独特のスタイル。こうやって整理してみると、なんだか何も解決していないような、そんな気がするのだけれども、それでも主人公を取り巻く世界は確実に動き始めている。そんなお話。