- 作者: 夢枕獏
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2006/03/10
- メディア: 文庫
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「大いなるマンネリ」といって感想を書こうと思っていたら、あとがきに夢枕獏氏自ら「マンネリを恐れない」と書いてあった。
陰陽師シリーズの魅力はこのマンネリだろう。
土御門の家には野原をそのまま切り取ったような庭があって、弘雅と清明が縁側で酒を酌み交わしている。そこで弘雅が何か言うと、清明が『呪』の話をする。
いつも、そんな始まり方のお話。でも、これが面白い。もう、7巻もの間こんな始まり方をしているのに、全く飽きない。次が読みたい。
多分、夢枕獏氏の文章が魅力的なんだろう。改行の多い、会話の多い文体なのだが、平安の世の中が目に浮かぶような背景描写。魅力的なストーリー。魅力的な登場人物。
そうそう、何が魅力的かって「こんな文章を書いてみたい」という文章が書いてあるという魅力もあるかも。